一人暮らしの部屋でゴミ箱がうまく決まらないのは、たいてい分別のせいです。燃えるゴミだけなら、キッチンの足元に1つ置けば終わります。ところがそこにプラスチックと、缶とペットボトルが加わった瞬間、置き場所が足りなくなる。かといって袋を床に直置きすると、それはもうゴミ箱ではありません。
そこで「省スペースなゴミ箱」を探すことになるのですが、ここで多くの人が同じ間違いをします。小さいゴミ箱を選んでしまうのです。今回調べた6点を「床面積1Lあたり何cm²使うか」で並べ直すと、いちばん効率が悪かったのは設置面積が最小のゴミ箱でした。理由は単純で、背が低いからです。床を空けたいなら、小さくするのではなく上に伸ばすのが正解になります。
この記事では、一人暮らし向けのゴミ箱6点をメーカーの公表値だけで並べます。アスベル・リス・ライクイットの3社から2点ずつ。設置面積は486cm²から1,192cm²まで約2.5倍、高さは38cmから99.2cmまで約2.6倍、分別数は1・2・3が混ざるように選びました。
先に結論を書きます。3分別を最小の床で済ませたいならライクイット FBS-3かアスベル 分別ワゴンスリム3段、壁ぎわの通路に置くならライクイット シールズ25かリス SOLOW 通路で使えるペダル分別ストッカー、まずは1つだけ置きたいならリス SOLOW ペダルオープンスリム13Lが有力です。生ゴミのニオイを最優先するなら、パッキンで密閉できるアスベル 分別ペダル2段スリム38Lになります。
この記事が向いていない人
先に外しておきます。次に当てはまる人は、この記事を読んでも欲しいものが出てきません。
- センサー式や自動開閉を探している人。今回の6点はすべて手動です。電池や電源が要るタイプは、一人暮らしのキッチンで最大の問題である「置く場所がない」を何も解決しないため、候補に入れていません。
- ゴミ箱をインテリアの主役にしたい人。ここで扱うのはポリプロピレン製の実用品です。スチールや木調のデザイン什器は入っていません。
- 自治体の指定袋が特殊な地域の人。ゴミ袋の形が決まっている地域では、袋がゴミ箱に合うかどうかが最優先になります。今回の製品はいずれも45Lまたは20L前後の一般的な袋を想定しています。
- キッチンに置かず、部屋の中で使いたい人。今回の6点は分別を前提にしたサイズで、リビングの脇に置く小型のくず入れとは用途が違います。
- すでに置き場所が決まっていて、寸法も測ってある人。その場合はこの記事の比較表だけ見て、幅と奥行が入るものを選べば終わります。読む必要はありません。
一人暮らしのゴミ箱は「容量」だけで選ばない
比較表を見る前に、判断の軸を4つ決めておきます。この4つが決まっていれば、6点のうち候補は2つくらいまで絞れます。
基準1 省スペースは「床面積」ではなく「床面積あたりの容量」で見る
この記事でいちばん伝えたい点です。設置面積(幅×奥行)だけを見て小さいものを選ぶと、たいてい損をします。
今回の6点を、1リットルあたり何cm²の床を使うかで並べるとこうなります。
- アスベル 分別ワゴンスリム3段:約21cm²/L(799cm²で37.5L・高さ99.2cm)
- ライクイット シールズ25:約23cm²/L(573cm²で25L・高さ62.5cm)
- ライクイット FBS-3:約24cm²/L(651cm²で27L・高さ79cm)
- アスベル 分別ペダル2段スリム38L:約25cm²/L(962cm²で38L・高さ79cm)
- リス SOLOW 分別ストッカー2段45L:約27cm²/L(1,192cm²で45L・高さ85cm)
- リス SOLOW ペダルオープンスリム13L:約37cm²/L(486cm²で13L・高さ38cm)
設置面積が最小の13Lモデルが、床効率では最下位になります。そしてトップのアスベル 分別ワゴンスリム3段は、床を1.6倍使う代わりに容量が2.9倍で、しかも3分別できる。差を生んでいるのは高さです。38cmと99.2cmでは2.6倍違います。
言い換えると、床は有限だが高さはたいてい余っているということです。キッチンの床は1cm²単位で取り合いになりますが、その真上の空間は誰も使っていません。ゴミ箱に限らず、狭い部屋の収納はここで決まります。スリム水切りラックを選ぶときも、小型電子レンジの置き場所を考えるときも、判断のしかたは同じです。
基準2 幅で入れるか、奥行で入れるかを先に決める
ゴミ箱の置き場所は、だいたい2種類しかありません。冷蔵庫や食器棚とのすき間に差し込むか、壁ぎわに沿わせるかです。どちらを狙うかで、見るべき数字が変わります。
すき間に差し込むなら見るのは幅です。今回の6点の幅は、ライクイット FBS-3の14cm、リス SOLOW 13Lの13.5cmから、リス SOLOW 分別ストッカーの45cmまで。約3.2倍の幅があります。冷蔵庫の横に15cmしか残っていないなら、選べるのは実質2点です。
壁ぎわに沿わせるなら見るのは奥行です。こちらはライクイット シールズ25の17cmから、FBS-3の46.5cmまで約2.7倍。1Kのキッチンは通路幅が70〜80cmしかないことがあり、奥行46.5cmのものを置くと人が通れる幅が半分以下になります。リスがこの製品を「通路で使える」と名づけて奥行26.5cm(本体は約22cm)に収めているのは、まさにその問題への回答です。
ここで注意したいのは、幅が狭い製品ほど奥行が深いという関係があることです。FBS-3は幅14cmですが奥行は46.5cm。容量を確保するにはどこかを伸ばすしかないので、当然そうなります。「スリム」という言葉だけで選ぶと、置いてから通路が塞がることになります。
基準3 分別数は自治体で決まる。ゴミ箱で決めない
3分別できるゴミ箱が偉いわけではありません。住んでいる地域で何分別が必要かは自治体が決めていて、そこに合わない数を買うと、使わない段が1つ余ります。
多くの地域では、家庭で日常的に分けるのは「燃えるゴミ」「プラスチック」「缶・ビン・ペットボトル」の3系統前後です。ただし紙類を別に出す地域もあれば、プラを燃えるゴミに含める地域もあります。買う前に、自分の自治体の収集区分を1回だけ確認してください。ここを確認せずに買うと、3段のうち1段が「よく分からないもの入れ」になります。
もう一つ、分別する量は種類ごとに全く違います。缶とペットボトルは週1回の収集までかさばりますが、重くはない。燃えるゴミは量は少なくてもニオイが出る。同じ容量を3等分するタイプ(FBS-3の9L×3、アスベル ワゴンスリムの12.5L×3)と、燃えるゴミ側を大きく取るタイプ(アスベル 分別ペダル2段の20L+18L)では、想定している使い方が違います。
基準4 使うゴミ袋のサイズを先に確認する
意外に見落とされるのがここです。ゴミ箱の容量と、かけるゴミ袋のサイズは一致しません。
リスのSOLOWシリーズは、13Lのモデルでも45Lのゴミ袋に対応と公式に書かれています。13Lの容器に45Lの袋をかけて、余った部分を外側に折り返して使う設計です。45L袋しか買っていない家では便利ですが、「13Lだから13Lの袋でいい」と思って買うと袋が合いません。逆にライクイット シールズ25は袋が外から見えない構造で、こちらは容量に近いサイズの袋を使います。
自治体の指定袋がある地域なら、話はさらに単純です。指定袋のサイズに合うゴミ箱を選ぶしかありません。45L指定なら45L袋がかかるもの、20L指定なら20L前後のものです。この確認を先にやっておくと、候補が半分に減ることがあります。
ゴミ箱6製品の比較表
| 製品 | 開け方 | 本体サイズ 幅×奥行×高さ | 設置面積 | 容量 (分別数) | 床面積 1Lあたり | 質量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| リス SOLOW ペダルオープンスリム13L | ペダル 左右切替 | 13.5×36×38cm | 約486cm² | 13L (1分別) | 約37cm² | ― |
| ライクイット シールズ25 | ワンプッシュ 密閉 | 33.7×17×62.5cm | 約573cm² | 25L (1分別) | 約23cm² | 約1.81kg |
| ライクイット FBS-3 | 引き出し 3段 | 14×46.5×79cm | 約651cm² | 27L (3分別) | 約24cm² | 約3.7kg |
| アスベル 分別ワゴンスリム3段 | 引き出し3段 キャスター | 22.5×35.5×99.2cm | 約799cm² | 37.5L (3分別) | 約21cm² | ― |
| アスベル 分別ペダル2段スリム38L | ペダル2段 パッキン密閉 | 26×37×79cm | 約962cm² | 38L (2分別) | 約25cm² | ― |
| リス SOLOW 分別ストッカー2段45L | 下段ペダル 上段フラップ | 45×26.5×85cm | 約1,192cm² | 45L (2分別) | 約27cm² | 約4.68kg |
表の右から2列目が、この記事の主張そのものです。設置面積の順番と、床効率の順番は一致しません。いちばん小さいゴミ箱がいちばん床を無駄づかいしている、という逆転がここに出ています。
1. リス SOLOW ペダルオープンスリム 13L

公式仕様
- 開け方:ペダル式。フタは右開き・左開きを切り替えられる
- 本体サイズ:幅13.5×奥行36×高さ38cm
- 容量:13L(1分別)
- 商品番号:179764(ホワイト)
- 材質:ポリプロピレン。抗菌・防汚加工
- ゴミ袋:45Lのゴミ袋に対応
- その他:キャスター付き。日本製
- 質量:メーカー非公表(同シリーズのツイン20Lは1,255g)
購入者レビューの傾向
「思っていたより本当に細い」という評価が集まりやすい製品です。幅13.5cmは今回の6点で最小で、冷蔵庫と壁のすき間や、洗面台の下に収まります。フタの開く向きを右か左に切り替えられるので、壁のどちら側に寄せても使えるのは実用的な差です。キャスターが付いているので、掃除のときに片手で引き出せます。
気になる点は、やはり容量です。13Lは、一人暮らしでも燃えるゴミなら2〜3日でいっぱいになります。もう一つ、45L袋対応という表記に戸惑うという指摘が出ます。13Lの容器に45Lの袋をかけて折り返す使い方で、袋がかなり余る。これは仕様であって不良ではありませんが、13L用の小さい袋を買ってくると、今度は袋止めがうまく働きません。
編集部の判断
向いているのは、分別用の2つ目・3つ目として買い足す人です。缶とペットボトルだけを分けたい、という使い方なら13Lで十分足ります。幅13.5cmなので、すでに置いてあるゴミ箱の横に差し込める。同じシリーズに20L・35L・45Lがあるので、後から並べて揃えることもできます。
向いていないのは、これ1つで済ませようとする人です。床面積1Lあたり約37cm²は今回の6点で最も効率が悪く、2つ並べると設置面積は972cm²になります。それならアスベル 分別ワゴンスリム3段(799cm²で37.5L・3分別)のほうが、床も容量も分別数もすべて上です。「小さいから省スペース」が成立しないことを、いちばんはっきり示している製品でもあります。
2. ライクイット シールズ25 密閉ダストボックス LBD-02

公式仕様
- 開け方:ワンプッシュ。フタ裏のシリコンパッキンで密閉する
- 本体サイズ:幅33.7×奥行17×高さ62.5cm
- 容量:25L(1分別)
- 質量:約1,810g
- 品番:LBD-02
- 材質:ポリプロピレン
- 構造:ゴミ袋が外から見えない
- サイズ展開:9.5L(LBD-01)/25L(LBD-02)/45L(LBD-03)
- 原産国:日本
購入者レビューの傾向
ニオイに関する評価が集中する製品です。フタの裏にシリコンのパッキンが入っていて、閉めると密閉される構造で、生ゴミやおむつの用途で選ばれます。奥行17cmという薄さも支持されるところで、壁に沿わせても通路をほとんど塞ぎません。高さ62.5cmはキッチンカウンターの下あたりに収まり、かがまずに捨てられます。
気になる点として出やすいのは、1分別しかできないことです。25Lは一人暮らしの燃えるゴミには十分ですが、缶やペットボトルは別に置き場所が要ります。もう一つ、密閉構造ゆえにフタを開けたときに一気にニオイが出るという指摘があります。閉じ込めている以上これは避けられず、後述する消臭剤や防臭袋との併用が現実的な対処になります。
編集部の判断
向いているのは、キッチンの通路が狭くて、生ゴミのニオイが気になる人です。奥行17cmは今回の6点で最も浅く、床面積1Lあたり約23cmと効率も2番目に良い。「薄いのに容量がある」という条件を、この6点でいちばんきれいに満たしています。夏場に生ゴミを扱う一人暮らしなら、密閉できることの価値は大きいはずです。
向いていないのは、これ1台で3分別を済ませたい人です。分別するなら同じシリーズを並べることになり、25Lを2つで幅67.4cm、3つで幅101cmを使います。それだけの壁が空いているキッチンは、1Kにはあまりありません。3分別が必要なら、最初から縦に積む製品を選ぶほうが確実です。
3. ライクイット 分別引出しステーション スーパースリム3段 FBS-3

公式仕様
- 開け方:引き出し式3段
- 本体サイズ:約幅14×奥行46.5×高さ79cm
- 容量:27L(引き出し1つあたり9L・3分別)
- 質量:約3.7kg
- 品番:FBS-3
- 材質:ポリプロピレン
- 機能:引き出しの抜け落ち防止機能。分別区分シール付き
- シリーズ:同じ幅14cmで2段(FBS-2・18L)、幅17cmで2段(BS-2・28L)、幅25.5cmで2段(BW-2・40L)などがある
- キャスター・アジャスターは別売で取り付け可能
- 原産国:日本
購入者レビューの傾向
幅14cmで3分別できる、という一点で選ばれる製品です。冷蔵庫と壁のすき間、食器棚の脇といった「これまで何も置けなかった場所」が分別スペースになります。引き出し式なので、フタを開ける動作もペダルを踏む動作も要らず、片手で引いて捨てられる。分別区分のシールが最初から付いているのも、地味ですが効きます。
気になる点は2つ挙がりやすい。1つは奥行46.5cmで、これは今回の6点で最も深い。幅が狭いぶんを奥行で稼いでいるので当然なのですが、通路に置くと歩ける幅が減ります。もう1つは引き出しを引いたときにさらに前へ出ることで、実際に使うには本体の奥行に加えて手前の余白が必要です。幅14cmという数字だけで買うと、置いてから通路が塞がるという失敗はここから起きます。
編集部の判断
向いているのは、キッチンにすき間しか残っていない人です。幅14cmで3分別、床面積1Lあたり約24cm²という組み合わせは、この6点で唯一のものです。同じ幅14cmで2段のFBS-2(18L・高さ53.3cm)もあり、床面積は同じ651cm²のまま、高さを53.3cmから79cmに伸ばすだけで容量が18Lから27Lになる。この記事の主張を、同一シリーズの中でそのまま見せてくれる製品です。
向いていないのは、奥行46.5cmを確保できない場所に置く人です。壁ぎわの通路に置くつもりなら、シールズ25(奥行17cm)かリスの分別ストッカー(奥行26.5cm)のほうが素直です。また9L×3という配分は、燃えるゴミが多い家庭にはやや小さい。ゴミ袋の交換頻度が上がるのを許容できるかどうかで判断が分かれます。
4. アスベル 分別ワゴンスリム3段 A6601

公式仕様
- 開け方:引き出し式3段
- 本体サイズ:幅22.5×奥行35.5×高さ99.2cm
- 容量:37.5L(12.5L×3・3分別)
- 品番:A6601(Amazon・一部販売店では「6702」表記)
- 材質:本体・引き出し=PP、キャスター=PP/PA
- キャスター付き
- 質量:メーカー非公表
購入者レビューの傾向
床効率のよさが評価される製品です。幅22.5cmで12.5L×3、合計37.5L。高さ99.2cmは今回の6点で最も高く、キッチンカウンターとほぼ同じ目線になります。キャスターが付いているので、掃除のときに引き出せるのも支持される点です。引き出し1つが12.5Lあるので、FBS-3の9Lと比べると袋の交換頻度が下がります。
気になる点は高さそのものです。99.2cmは、キッチンの吊り戸棚や窓の下に入らないことがあります。また上に物を置ける天板ではないため、高さぶんの空間がそのまま使われる。もう一つ、公式が質量を公表していないので、届く前に「重くて動かせないのでは」という不安が解消できません。キャスター付きなので実用上は問題になりにくいところではあります。
編集部の判断
向いているのは、床をいちばん節約したい人です。床面積1Lあたり約21cm²は今回の6点で最も効率がよく、しかも3分別できて容量も37.5Lある。幅22.5cm・奥行35.5cmという寸法も、冷蔵庫の横や食器棚の脇に入りやすいサイズです。この記事の主張を一台で体現しているのがこの製品で、迷ったらまずここを基準に他を比べるのが早いと思います。
向いていないのは、置き場所の上に何かがある人です。高さ99.2cmなので、吊り戸棚の下、窓の下、カウンターの下には入りません。上に空間があることが条件になります。あわせて、引き出し式は開けたときに前へ出るため、手前に人が立てる余白も要ります。この製品の弱点は容量でも価格でもなく、置ける場所を選ぶことです。
5. アスベル 分別ペダル2段スリム38L A6605

公式仕様
- 開け方:ペダル式2段
- 本体サイズ:幅26×奥行37×高さ79cm
- 容量:38L(上段20L+下段18L・2分別)
- 品番:A6605(販売品番6801)
- 材質:フタ・本体・フレーム・袋止め・キャスター=PP、ペダル/プッシュレバー=PS、フタパッキン=シリコーンゴム、下本体パッキン・すべり止め=PE、バネ=ステンレス鋼
- キャスター付き
- 質量:メーカー非公表
購入者レビューの傾向
ニオイに対する評価が集まりやすい製品です。フタにシリコーンゴムのパッキンが入っていて、閉じたときに口が塞がる構造になっています。「夏場に小バエが入らなくなった」という趣旨の指摘は、この構造で説明がつきます。上段20L・下段18Lという配分も、燃えるゴミを上段に置いて頻繁に捨て、資源ゴミを下段に溜める、という使い方に素直に合います。ペダル式なので手を触れずに開けられます。
気になる点は設置面積です。962cm²は今回の6点で2番目に大きく、床面積1Lあたりも約25cm²とワゴン型に劣ります。パッキンで密閉する構造上、本体に厚みが要るためです。もう一つ、材質表を見るとペダルとプッシュレバーがPS(ポリスチレン)で、フタやボディのPPより硬く割れやすい素材です。ペダル部分が壊れたという指摘は、素材の性質としては説明のつく話になります。
編集部の判断
向いているのは、生ゴミのニオイを最優先する人です。今回の6点でパッキンによる密閉を公式にうたっているのは、この製品とライクイット シールズ25の2点だけ。そのうえで2分別できて38Lあるのは、これだけです。自炊をして生ゴミが毎日出る人なら、床を少し多く使ってもここを取る価値があります。
向いていないのは、3分別が必要な人と、床をぎりぎりまで節約したい人です。2分別なので、缶とペットボトルを別に分ける地域では3つ目の置き場所が要ります。また設置面積962cm²は、アスベルの分別ワゴンスリム3段(799cm²・3分別・37.5L)より広い。同じメーカーの中で、密閉を取るか床効率を取るかの選択になります。
6. リス SOLOW 通路で使えるペダル分別ストッカー 2段 45L

公式仕様
- 開け方:下段はペダル式、上段は手動のフラップ式。どちらも手で大きく開ける
- 本体サイズ:幅45×奥行26.5×高さ85cm(奥行は本体約22cm+ペダル部)
- 容量:約45L(上下各22.5L・2分別)
- 質量:約4.68kg
- 商品番号:GSLW020(ホワイト)
- 材質:ポリプロピレン。抗菌加工
- ゴミ袋:45Lのゴミ袋に対応
- 天面:小物を置けるトレー状(耐荷重2kg)
- その他:キャスター付き。1段22.5Lのモデルもある。日本製
購入者レビューの傾向
「通路に置いても邪魔にならない」という評価が集まる製品です。奥行はペダルを含めて26.5cm、本体だけなら約22cm。壁に沿わせても人が通れる幅が残ります。高さ85cmはキッチンカウンターに合わせた設計で、天面が小物を置けるトレーになっているため、洗剤やスポンジの一時置きに使えます。今回の6点で質量が公表されている3点のうち、いちばん重い約4.68kgですが、キャスターが付いています。
気になる点は幅45cmです。今回の6点で最も広く、設置面積1,192cm²も最大。「スリム」なのは奥行だけで、幅は取ります。冷蔵庫のすき間には入りません。もう一つ、上段は手動のフラップ式でペダルが効くのは下段だけなので、両手がふさがっているときに上段へ捨てるのは一手間かかります。
編集部の判断
向いているのは、キッチンが細長い通路型の人です。1Kのキッチンは、シンクと壁のあいだが80cm前後の通路になっていることがよくあります。そこに奥行46.5cmのものを置くと通れなくなりますが、この製品なら26.5cmで済む。横に長く、手前に出ないという形は、その条件に対する明確な回答です。壁1面を使える人にとっては、45Lという容量も過不足がありません。
向いていないのは、幅45cmの壁面を空けられない人です。すき間に差し込む使い方はできません。また床面積1Lあたり約27cm²は6点で2番目に効率が低く、床を節約する目的だけならワゴン型に負けます。この製品を選ぶ理由は床効率ではなく、奥行を22cmに抑えたことにあります。そこが要らないなら、ほかを選んだほうが得です。
低評価レビューで指摘が集中していた点
このジャンルの低い評価は、特定の製品の欠陥というよりゴミ箱という道具への期待のズレに集中します。どれを買っても起きることなので、先に知っておくと納得して選べます。
1 「臭う」の原因は、たいていゴミ箱ではなく水分
いちばん多いのがこれです。密閉タイプを買ったのに臭う、フタ付きなのに臭う、という指摘が必ず出ます。
ニオイの発生源は、生ゴミに含まれる水分と、そこで増える菌です。ゴミ箱は発生源をふさぐ道具であって、発生そのものを止める道具ではありません。密閉できる製品を選んでも、中で菌が増えることは止められない。だから対処は、ゴミ箱の性能ではなく、入れる前の段階に効きます。三角コーナーの水を切ってから捨てる、生ゴミだけ小さい防臭袋に入れてから捨てる、といった一手間のほうが効果は大きい。
そのうえで、密閉できる製品には意味があります。今回の6点でパッキンによる密閉を公式にうたっているのは、アスベル 分別ペダル2段スリム38L(フタパッキン=シリコーンゴム)とライクイット シールズ25(フタ裏のシリコンパッキン)の2点です。「臭わなくなる」ではなく「閉めているあいだは漏れにくい」と理解するのが、実態に近い読み方になります。
2 ペダル式が壊れるとしたら、たいていペダルかバネ
「ペダルが折れた」「フタが戻らなくなった」という指摘は、ペダル式のどの製品にも一定数あります。これは構造上、力がかかる場所が決まっているためです。
アスベル 分別ペダル2段スリム38Lの材質表を見ると、フタ・本体・フレームがPP(ポリプロピレン)なのに対し、ペダルとプッシュレバーだけがPS(ポリスチレン)で、バネはステンレス鋼です。PSはPPより硬く、粘りが少ない。つまり本体より先にペダルが割れる可能性が高い設計になっています。これは欠陥ではなく素材の使い分けですが、足で強く踏み込む癖がある人は、ペダル式そのものが向かないとも言えます。
可動部が少ないほうが長持ちするという意味では、引き出し式(FBS-3、アスベル 分別ワゴンスリム3段)が最も単純です。ペダルもバネもありません。
3 カタログの奥行は、使うときの奥行ではない
置いてみたら通路が塞がった、という指摘の多くはここから起きます。
引き出し式は、引き出したぶんだけ前に出ます。FBS-3は本体の奥行が46.5cmですが、引き出しを開けて手を入れるには、その手前にさらに余白が要る。ペダル式も同じで、リス SOLOW 分別ストッカーの奥行26.5cmという値はペダルを含めた寸法で、本体だけなら約22cmです。逆に言うと、この製品はペダルのぶんまで数字に含めて公表しているぶん親切だということでもあります。
フタが上に開くタイプは、高さ方向にも余白が要ります。今回でいえばアスベル 分別ワゴンスリム3段の高さ99.2cmは引き出し式なので上方向の余白は不要ですが、ペダル式やワンプッシュ式はフタが開く角度ぶんの空間が必要になります。棚の下に押し込む場合はここが効きます。
4 「45L袋対応」は、45L入るという意味ではない
リスのSOLOWシリーズは、13Lのモデルにも45L袋対応と書かれています。ここを容量と読み違えると、届いてから戸惑います。
これは「家庭で一般的に売られている45Lの袋をそのままかけられる」という意味で、13Lの容器に45Lの袋をかけ、余った部分を外側に折り返して使います。袋のサイズを買い分けなくていい、という利便性の表記であって、容量の表記ではありません。逆に、ぴったりのサイズで使いたい人には袋が余って見えることになります。
ライクイット シールズ25のように、袋が外から見えない構造の製品では話が別で、こちらは容量に近いサイズの袋を使います。買う前に、いま家にあるゴミ袋のサイズを1回確認しておくと、この行き違いは起きません。
迷ったときの選び分け
条件から1点に絞る道筋をまとめます。
- 3分別が必要で、床をいちばん節約したい → アスベル 分別ワゴンスリム3段。床面積1Lあたり約21cm²で最効率。ただし高さ99.2cmが入る場所か確認を。
- 3分別が必要だが、置けるのはすき間だけ → ライクイット FBS-3。幅14cmで3分別できるのはこれだけ。奥行46.5cmは要確認。
- キッチンが細長い通路型 → リス SOLOW 通路で使えるペダル分別ストッカー2段。奥行22cm(ペダル込み26.5cm)で人が通れます。
- 壁ぎわに沿わせたい、生ゴミのニオイも気になる → ライクイット シールズ25。奥行17cmで密閉できるのはこれだけ。ただし1分別。
- 自炊をして生ゴミが毎日出る → アスベル 分別ペダル2段スリム38L。パッキン密閉で2分別、上段20L+下段18L。
- いまあるゴミ箱に1つ足したい → リス SOLOW ペダルオープンスリム13L。幅13.5cmで差し込めます。
迷ったら、置ける場所の高さを先に見るのがこのジャンルの近道です。上が空いているなら縦に積むタイプを選べば床が最小で済み、上に棚や窓があるなら横に伸ばすタイプしか選べません。容量から入ると、たいてい置けないものを選びます。
一緒に用意しておきたいもの
ゴミ箱は本体だけでは完成しません。ニオイ対策と袋の2つが要ります。
生ゴミ用の防臭袋
前述のとおり、ニオイの発生源は生ゴミの水分です。ゴミ箱の密閉性能を上げるより、発生源を先に小さい袋で閉じてしまうほうが確実です。防臭袋に入れてから捨てれば、フタを開けたときの立ち上がりも変わります。とくに夏場、収集日が週2回しかない地域では効きます。密閉タイプを選ばなかった人ほど、ここは用意しておいたほうがいいでしょう。
ゴミ箱に貼る脱臭剤
フタの裏に貼るタイプの脱臭剤です。場所を取らず、ゴミ箱の容量も減らしません。香りでごまかすタイプと、活性炭で吸着するタイプがありますが、キッチンで使うなら無香タイプのほうが料理の邪魔になりません。密閉できないタイプのゴミ箱を選んだ場合、これがいちばん手軽な補強になります。水まわり全体のニオイが気になるなら、洗濯槽まわりの手入れも一度見直しておくといいでしょう。
ペール用のゴミ袋(20L前後)
分別用の小さい段には、45L袋では大きすぎることがあります。9Lや12.5Lの引き出しに使うなら、20L前後のペール用ポリ袋がちょうど収まります。ただし、自治体の指定袋がある地域では指定袋が優先です。資源ゴミの区分だけ指定袋が不要という地域も多いので、そこだけ汎用の袋を使う、という組み合わせになることが多いはずです。買う前に自分の地域の区分を確認してください。
購入前に測る3か所
この3つを測ってから買えば、届いてから困ることはほぼなくなります。所要時間は5分です。
1 置く場所の幅と奥行、そして「上の高さ」
幅と奥行は当然として、このジャンルでは高さを測るのが決定的です。上に何もないなら、縦に積むタイプで床が最小になります。吊り戸棚の下、窓の下、カウンターの下なら、そこまでの高さが上限になります。
目安として、今回の6点の高さは38cm・62.5cm・79cm・79cm・85cm・99.2cm。カウンター下に入れたいなら85cm以下、吊り戸棚の下なら実測次第です。ここを測らずに買うと、いちばん床効率のいい選択肢が最初から消えます。
2 手前に立てる余白
引き出し式は引き出したぶん前に出て、ペダル式は踏むために足を置く場所が要ります。本体の奥行に加えて、手前に30cm前後は空いていることを確認してください。
とくに1Kの細長いキッチンでは、ここが通路と重なります。「置けるか」ではなく「置いた状態で通れるか」で見るのが正しい判断です。通路幅が80cmしかないところに奥行46.5cmを置くと、残りは33.5cm。人が横向きに通る幅です。
3 ゴミ袋を替えるときの動作
見落とされがちですが、毎週やるのはこの動作です。フタが上に開くタイプは、開いた状態の高さぶんの空間が要ります。棚の下に置くと、フタが棚に当たって全開できないことがあります。
もう一つ、いっぱいになった袋を引き上げられるかどうかを想像してみてください。高さ99.2cmのワゴン型は最上段が胸の高さになるので、袋を引き上げる動作はむしろ楽です。逆に高さ38cmの低いタイプは、かがんで持ち上げることになります。背が高いゴミ箱は、床効率だけでなく腰にも優しいというのは、この記事で最後に足しておきたい点です。
まとめ
一人暮らしのゴミ箱で効いてくるのは、容量でも見た目でもありませんでした。床面積あたりどれだけ入るか、幅で入れるか奥行で入れるか、そして自治体が何分別を求めているか。この3つで、6点はきれいに性格が分かれます。
そして最初に書いたとおり、小さいゴミ箱は省スペースではありません。今回の6点で設置面積が最小だったリス SOLOW 13Lは、床面積1Lあたりで見ると最も効率が悪く、最効率のアスベル 分別ワゴンスリム3段とは1.76倍の差がありました。差を生んでいるのは高さだけです。
どれを選んでも、先にやることは同じです。幅と奥行と高さを測る、手前に立てる余白を確認する、自治体の分別区分を見る。ゴミ箱は毎日必ず使う道具で、しかも一度置くと動かしません。5分の実測が、そのあと数年ぶんの使い勝手を決めます。
※本記事に掲載した仕様は、各メーカーが公表している値です。仕様は予告なく変更される場合があるため、購入前に最新の情報をご確認ください。ゴミの分別区分と指定袋の有無は、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
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