一人暮らしで1Kと1DKを比べるとき、僕ならまず「食べる場所を、寝る部屋から分けたいか」を考える。大きな机を置いてひとつの部屋を広く使いたいなら1K。作業中の机を片づけず、別の食卓でご飯を食べたいなら1DKが候補になる。
僕は4畳半のワンルームから1DKまで、5つの間取りに住んできた。振り返ると、僕には8畳の1Kで十分だった。PCデスクや音楽機材があっても、広さを増やすことがそのまま暮らしやすさにつながるわけではなかった。
12畳の部屋を持て余した
住んだ順に並べると、4畳半のワンルーム、6畳の1K、8畳の1K、12畳のワンルーム、5畳+4.5畳の1DK。小さな部屋から広めの部屋まで試したなかで、12畳のワンルームは僕には広すぎた。使い切れない場所が、荷物置き場のようになってしまった。
PCデスクや音楽機材には結構な場所を使っていた。それでも8畳で足りたのは、僕の家具と過ごし方なら、その広さで間に合っていたからだ。ソファでくつろぎたい人や、大きな食卓を置きたい人なら、話は変わる。
1Kでよかったのは、キッチンを扉で区切れること。料理のにおいが生活する部屋に残るのは気になったので、調理中に扉を閉められるのはありがたかった。換気は必要だけれど、寝たりPCを使ったりする場所とキッチンを分ける意味はあった。このよさは1DKにもある。
なお、ワンルームの畳数にはキッチン部分を含む場合がある。12畳の1Rと8畳の1Kを、そのまま「4畳差」とは比べられない。僕の感想は、それぞれの部屋で実際に暮らしたうえでのものだ。
1Kと1DKは、食べる場所が違う
どちらもキッチン側とは別に、居室が1部屋ある。1Kは居室とキッチン、1DKは居室とダイニングキッチンという構成だ。DKには、調理に加えて食事をする役割がある。
| 比べるところ | 1K | 1DK |
|---|---|---|
| 食べる場所 | 居室の机やテーブル | 食卓を置ければDK |
| 作業する場所 | 居室にまとめる | 居室かDKを選ぶ |
| 家具の使い方 | 机と食卓を兼ねやすい | 作業机と食卓を分けやすい |
| 先に見たい寸法 | ベッドと机を並べる幅 | 食卓と椅子を置いた後の通路 |
不動産広告の指導基準では、居室が1部屋の場合、DKの広さの下限は4.5畳が目安。広さに加えて、用途に合う形や機能も求められる。4.5畳は住戸全体の面積ではなく、キッチン側の空間を指している。不動産公正取引協議会連合会の表示基準でも確認できる。
ただ、DKと書いてあっても、手持ちの食卓が置けるとは限らない。キッチン、冷蔵庫、家電棚が場所を取り、玄関や水回りへ抜ける通路も必要になる。空いている床に椅子まで置いた状態で見たい。
同じ家具を、どこに置くか
ベッド、PCデスク、食卓をそれぞれ使いたいとする。1Kなら居室に集め、1DKなら食卓をDKへ移す。その違いを、居室とキッチン側の合計を12畳にそろえた例で比べてみる。
1Kは食事も作業も同じ部屋になる代わりに、広さをひと続きで使える。机の周りに機材をまとめたいなら、この使い方が合うかもしれない。食卓を別に置かず、机を兼用するなら家具も減らせる。
1DKでは、食卓を移したぶん居室に余白ができるとは限らない。この例では、DKが広くなる一方で居室が9畳から6畳に変わる。ベッドと大きな机を並べたいなら、そのふたつが収まる居室かを先に確かめたい。6畳の家具配置も参考になる。
そして、ベッドとPCデスクを居室に置くなら、分かれるのは食事の場所だ。仕事と睡眠を分けたいなら、机をDK側へ移せるかを考える。1DKを選ぶ前に、何を別の場所でやりたいのかを決めておくと、間取り図の見方が変わる。
机は、椅子を引いたところまで測る
PCデスクは天板の大きさだけでは足りない。たとえば幅140cm、奥行70cmの机に、手前の余白を80cm取るとする。机だけなら0.98㎡でも、椅子を使う範囲を合わせると幅140cm×奥行150cmで2.10㎡になる。
| 机の幅×奥行 | 手前に80cm取った範囲 | 面積 |
|---|---|---|
| 100×60cm | 100×140cm | 1.40㎡ |
| 120×60cm | 120×140cm | 1.68㎡ |
| 140×70cm | 140×150cm | 2.10㎡ |
計算は「机の幅×(机の奥行+手前の余白)」。自分の机と椅子で測れば、そのまま候補の部屋に当てはめられる。PC本体や機材を床に置くなら、その場所も足しておこう。
食卓も同じだ。家具メーカーのSIEVEは、ダイニングチェアの出し入れに75〜80cm程度の余白を挙げている。これはPCチェアの最低寸法を示すものではないし、座っている人の後ろを通る余白とも別に考えたい。
ベッドはフレームとヘッドボードを含めた外寸で見る。収納付きなら引き出しが開くところまで。家具を置けても、そのたびに椅子を動かさないと通れない配置は避けたい。内見に持っていく寸法は、家具・家電を買う前に測る場所にまとめている。
収納と、扉を閉めた後を見る
僕が部屋選びでかなり大事だと感じたのが、収納の有無だった。畳数が増えても、荷物をしまえなければ棚やラックで床が埋まる。机や音楽機材のように出したまま使うものがあるなら、ほかの荷物を収納できるかは大きい。
クローゼットは幅だけでなく、奥行き、棚の位置、扉の開き方まで見る。今の服や箱が入れば、追加の収納家具を減らせるかもしれない。クローゼットに入る服の量を先に考えておくと、居室に必要な棚も見積もりやすい。
1DKでは、居室とDKの扉を閉めてみる。寝室側から光が入る間取りなら、閉めた後のDKでも食事や作業をしたいと思えるか。エアコンが片側にしかなければ、冷暖房のために開けたまま過ごすこともあり得る。
机をDKに置く予定なら、空調とコンセントの位置も確認したい。エアコンを足せるかは、壁の空きだけでは決められない。URコミュニティの設置案内でも、専用コンセント、配管穴、室外機の置場などを確認している。候補の物件では、設置条件を管理会社に聞いておこう。
自炊のしやすさも、1Kか1DKかだけではわからない。まな板を置く作業台、コンロの口数、冷蔵庫とゴミ箱の置場はそれぞれ見る。食卓があっても、毎日の料理がしにくければ困る。
家賃の差を払って、何を分けたいか
僕も、趣味のスペースと寝室を分けたいと思った。ただ、東京でその条件を求めると、家賃の面でなかなか難しかった。広さにも立地にも希望があるなかで、部屋を分けることにどこまで払うかは悩むところだった。
たとえば候補の2部屋で、管理費込みの月額が1万円違えば、2年間で24万円の差になる。これは相場ではなく、1万円×24か月の計算例。初期費用や更新料の差は別に比較する。
食事のたびに机を片づけるのが負担なら、食卓を分ける価値はある。一方、結局いつもPCの前で食べるなら、DKを広く取っても使い切れないかもしれない。部屋の数より、帰宅してからどこで何をするかを思い浮かべたい。
今の僕なら、まず8畳前後の1Kを候補にする。PCデスクと機材が置けて、荷物をしまえれば十分。そのうえで、食事や趣味の場所を分けたい理由がはっきりしたら、1DKも比べたい。
部屋の条件が決まったら、街を探す
「机を置ける広めの1K」「寝室に食事を持ち込まない1DK」。欲しい部屋が見えてきたら、次はその条件で暮らせそうな街を探す。僕が家賃と立地の間で迷ったように、部屋の条件だけでは最後まで決めきれない。
その街探しに使えるのが、BORISYNC LIVINGと同じ運営者によるTOKYO WHERE。職場の最寄り駅を起点に、家賃と通勤時間を見比べられる。
家賃の区分は「1R・1K」「1DK・1LDK」のまとまりなので、街の候補を広げる目安として使いたい。通勤時間は駅間の代表経路。候補が見つかったら、物件情報で実際の家賃と間取りを確かめ、内見で家具を置く寸法まで測ろう。



