物件情報の「6畳」を見て、だいたいの広さを思い浮かべていると思います。ところがこの6畳、実際の寸法が4種類あります。同じ「6畳」と書かれていても、いちばん広いものといちばん狭いものでは、畳1.5枚ぶん近く違う。
そしてもうひとつ。配置を決めるのは面積ではなく、通路です。床が余っていても、そこが人の通り道なら家具は置けません。逆に言えば、通路を先に引いてしまえば、残った場所に何が入るかは自動的に決まります。
この記事では、畳の種類ごとの実寸を出したうえで、シングルベッドを1台置いた時点で残りが何cmになるかを計算しました。ここまで出れば、あとは足し算だけで配置が決まります。
この記事が向いていない人
- おしゃれな部屋の作り方を知りたい人。この記事は寸法の話だけです。色や素材の合わせ方は出てきません。
- 何を買うか、何を減らすかで迷っている人。それは買わなくていいものの記事のほうです。この記事は「置くと決まったものを、どこに置くか」を扱います。
- ロフト付き・変形間取りの人。ここで扱うのは長方形の6畳です。柱の出っ張りや斜めの壁がある部屋は、自分で測るしかありません。
「6畳」は4種類ある
畳の大きさは、地域や建物の種類によって規格が違います。1畳の寸法と、それを6枚並べた部屋の実寸を計算するとこうなります。
| 規格 | 畳1枚 | 6畳間の実寸 | 面積 | 京間を100とすると |
|---|---|---|---|---|
| 京間(本間) | 191×95.5cm | 382×286.5cm | 10.94㎡ | 100 |
| 中京間(三六間) | 182×91cm | 364×273cm | 9.94㎡ | 91 |
| 江戸間(五八間) | 176×88cm | 352×264cm | 9.29㎡ | 85 |
| 団地間(五六間) | 170×85cm | 340×255cm | 8.67㎡ | 79 |
京間と団地間の差は2.27㎡。畳にして1.5枚ぶん近くあります。関西の物件と、都市部の集合住宅の「6畳」を同じつもりで考えると、家具の入り方がまるで違ってきます。
ここで大事なのは、規格を覚えることではありません。「6畳」という表記から寸法は決まらない、と知っておくことです。内見に行くなら、メジャーを持っていって短辺と長辺を測る。それだけで、この表のどれに近いかが分かります。
配置を決めるのは面積ではなく通路
面積が分かっても、置ける家具の量は決まりません。先に通路を引く必要があるからです。
人が正面を向いて無理なく通るには、幅60cm程度が目安とされます。体を横にすれば45cmほどでも通れますが、毎日そこを通る動線でそれをやると、生活が窮屈になります。荷物を持って通る、掃除機をかける、といった動作を考えると、主要な動線は60cm見ておいたほうが現実的です。
この60cmを、床面積からあらかじめ差し引いてしまうのがこの記事のやり方です。
ベッドの奥行き97cm、通路60cm。264cmの奥行きから両方を引くと、残るのは107cmです。ここに、机も棚もラックも収めることになります。
ベッドを置いた時点で、残りは決まる
同じ計算を、畳の規格ごとにやるとこうなります。シングルベッドは幅97cmの一般的なサイズで計算しています(製品によって違うので、実際の数字で置き換えてください)。
| 規格 | 部屋の奥行き | ベッドを引くと | さらに通路60cmを引くと |
|---|---|---|---|
| 京間 | 286.5cm | 189.5cm | 129.5cm |
| 中京間 | 273cm | 176cm | 116cm |
| 江戸間 | 264cm | 167cm | 107cm |
| 団地間 | 255cm | 158cm | 98cm |
京間の129.5cmと団地間の98cmでは、置けるものが変わります。奥行き60cmの机を置いたとき、京間なら手前に70cm近く残りますが、団地間だと38cm。38cmは、椅子を引くと通れなくなる幅です。
「6畳だから入るはず」が通用しないのは、ここです。同じ家具でも、規格が1つ違うだけで成立しなくなる。
壁は4面あるが、使えるのは2面くらい
床の話をしてきましたが、狭い部屋では壁のほうが貴重です。ただし4面すべてが使えるわけではありません。
- 窓のある面:背の高いものを置くと採光を潰します。カーテンの開閉も邪魔になる
- 扉のある面:扉の可動域が床と壁の両方を食います。開いた扉が当たる範囲には何も置けません
- クローゼットのある面:折れ戸なら手前に、引き戸なら横に、開くための空間が要ります
差し引くと、自由に使える壁は2面あればいいほうです。そしてベッドが1面を占めるので、実質1面で戦うことになります。
奥行きの薄い家具が効くのはこのため
残った壁を有効に使うには、奥行きで選ぶのがいちばん効きます。
たとえばハンガーラックには、突っ張り式で奥行き10cm程度のものと、自立式で奥行き40cm前後のものがあります。同じ「ハンガーラック」でも、床の食い方が4倍違う。奥行き10cmなら、上の表の107cmから引いても97cm残ります。40cmだと67cmになり、通路をもう1本引いたのとほぼ同じ影響が出ます。
姿見も同じで、厚さ2cm程度の壁掛け・立てかけタイプなら、床をほとんど使いません。ただし立てかける場合は倒れないよう角度をつけるぶん、床の占有は厚みより大きくなります。スタンド付きのものはさらに広い。
畳まないものと、畳めるもの
床を占有する時間で考える、という手もあります。折りたたみローテーブルは、使わないときに壁へ寄せられるので、床を24時間占有しません。常設の机より天板は小さくなりますが、通路の確保という点では有利です。
逆に、サイドテーブルのように小さくても常設するものは、置く位置がそのまま動線を決めます。ベッド脇に置くなら、通路の内側に入り込まないかを確認してください。
置く順番
- 部屋の短辺と長辺を実測する。「6畳」を信用しない
- 扉とクローゼットの可動域を床に描く。ここは最初から無い場所として扱う
- ベッドの位置を決める。いちばん大きく、いちばん動かせない。窓を塞がない面を選ぶ
- 通路60cmを引く。玄関から窓まで、ひと続きで通れること
- 残った寸法を出してから、家具を探す。順番が逆になると、気に入ったものが入らないという話になります
5番が肝心です。家具を決めてから置き場所を探すのではなく、置ける寸法を出してから家具を探す。手順を逆にするだけで、候補が勝手に絞れて、選ぶ作業そのものが短くなります。
まとめ
- 「6畳」の実寸は4種類。京間10.94㎡から団地間8.67㎡まで、畳1.5枚ぶん近い差がある
- 表記から寸法は決まらない。内見でメジャーを当てる
- 配置を決めるのは面積ではなく通路。主要な動線は幅60cm程度を見ておく
- シングルベッドと通路を引くと、残りは京間129.5cm/団地間98cm。ここに全部を収める
- 壁は4面あっても、窓・扉・クローゼットで埋まる。自由に使えるのは実質1面
- 残った壁は奥行きで選ぶ。奥行き10cmと40cmでは、床の食い方が4倍違う
狭い部屋の配置は、センスではなく引き算です。動かせないものから順に置いて、通路を引いて、残った寸法を測る。そこまでやれば、あとは残りの数字に入るものを探すだけになります。悩む時間は、たいてい手順が逆になっているときに生まれます。
※畳の寸法は規格の代表的な値で、資料によって数cm前後します。6畳間の実寸・面積、およびベッドを置いたあとの残り寸法は、当サイトが上記の前提で算出した目安です。実際の部屋は壁の仕上げ、柱の位置、建具の納まりによって変わります。通路幅60cmは一般的な目安であり、法令等で定められた数値ではありません。家具の寸法は製品によって異なるため、購入前に各製品の仕様をご確認ください。

